●第1期
【対象者】 1歳から1歳11か月(2歳の誕生日の前日)までのお子さん

【接種回数】 1回

●第2期
【対象者】 小学校就学前の1年間(いわゆる年長児相当)
※接種期間:年長児の4月1日から3月31日まで

【接種回数】 1回


<風しん・麻しん予防接種説明書>

1 風しん・麻しんについて
(1) 風しん
 風しんは、風しんウイルスの飛沫感染によって発症します。ウイルスに感染してもすぐには症状が出ず、約14~21日の潜伏期間がみられます。その後、麻しんより淡い色の赤い発しん、発熱、首のうしろのリンパ節が腫れるなどが主な症状として現れます。また、そのほかに、せき、鼻汁、目が赤くなる(眼球結膜の充血)などの症状がみられることもあります。子どもの場合、発しんも熱も3日程度で治ることが多いので「三日ばしか」と呼ばれることがあります。合併症として関節痛、血小板減少性紫斑病、脳炎などが報告されています。血小板減少性紫斑病は風しん患者約3,000人に1人、脳炎は風しん患者約6,000人に1人ほどの割合で合併します。大人になってからかかると子どもの時より重症化する傾向が見られます。
 妊婦が妊娠早期に風しんにかかると、先天性風しん症候群と呼ばれる病気により、心臓病、白内障、聴力障害などの障がいを持った赤ちゃんが生まれる可能性があります。

(2) 麻しん
 麻しん(はしか)は、麻しんウイルスの空気感染・飛沫感染・接触感染によって発症します。ウイルスに感染後、無症状の時期(潜伏期間)が約10~12日続きます。その後症状が出始めますが、主な症状は、発熱、せき、鼻汁、めやに、赤い発しんです。症状が出始めてから3~4日は38℃前後の熱とせきと鼻汁、めやにが続き、一時熱が下がりかけたかと思うと、また39~40℃の高熱となり、首すじや顔などから赤い発しんが出始め、その後発しんは全身に広がります。熱は3~4日で下がり、次第に発しんも消失しますが、しばらく色素沈着が残ります。
 合併症を引き起こすことが30%程度あり、主な合併症には、気管支炎、肺炎、中耳炎、脳炎などがあります。発生する割合は麻しん患者100人中、中耳炎は約7~9人、肺炎は約6人です。脳炎は約1,000に2人の割合で発生がみられます。
 また、麻しんにかかると数年から10数年経過した後に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という重い脳炎を発症することがあります。これは、麻しんにかかった人のうち約10万人に1人の割合で見られます。
 麻しん(はしか)にかかった人のうち、1,000人に1人程度の割合で死亡することがあります。

2 予防接種の効果
 麻しん風しんワクチンは、95%以上が免疫を獲得することができます。しかし、いつまで免疫が持続するかについては、獲得した免疫の状況や、その後の周りでの流行の程度によって異なります。

3 ワクチンの副反応
 主な副反応は、発熱(接種した者のうち20%程度)や、発しん(接種した者のうち10%程度)です。これらの症状は、接種後5~14日の間に多くみられます。接種直後から翌日に過敏症状と考えられる発熱、発しん、掻痒(かゆみ)などがみられることがありますが、これらの症状は通常1~3日でおさまります。ときに、接種部位の発赤、腫れ、硬結(しこり)、リンパ節の腫れ等がみられることがありますが、いずれも一過性で通常数日中に消失します。
稀に生じる重い副反応としては、アナフィラキシー様症状(ショック症状、じんましん、呼吸困難など)、急性血小板減少性紫斑病(紫斑、鼻出血、口腔粘膜の出血等)、脳炎及びけいれん等が報告されています。

4 接種を受けることができない人
1)妊娠をしている女性および可能性がある女性
2)明らかに発熱(通常37.5℃以上をいいます)がある場合
3)重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな場合
4)受けるべき予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーを起こしたことがある場合
5)明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する場合及び免疫抑制をきたす治療を受けている場合
6)その他、医師が不適当な状態と判断した場合